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日本代表の戦いが終わった。

初戦のカメルーン戦に勝った直後、「試合終了のホイッスルは、次の試合の開始を告げるホイッスル」と語った岡田監督。4年後のブラジル大会へ、日本人ひとりひとりの、新たな4年間がはじまった。

赤い目をこすりながら、多くの日本代表の選手が「サッカー人生はつづく」という意味のコメントを残したという。PKが嫌いだったオシムさんも、きっと選手に声を掛けるとしたら、こう言っただろう。

「残念だ。だが、人生はつづく。顔を上げろ」

世界の列強が「本当のワールドカップはベスト8から」と高言する壁を打ち破ることは出来なかった。「『そんな簡単にはいかないよ』。そう言われてるようだった」と語った岡田監督。北沢豪が「日本はベスト8に一番近い、『ベスト9』です」と言ったように、世界のなかの自分たちの実力を客観視し、対戦相手を分析し尽くし、準備に準備を重ね、そして「融和」というサッカーにおける最大の武器を最大限に高めて戦った4試合は、新しい扉を力強くノックした。

自身も南アフリカを訪れたというMISIAのツイートに共感!

大きな 大きな 大きな 拍手を。


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「大会前に多くのファンが応援してくれたことだけじゃなくて、多くの人が批判してくれたことも僕は感謝しています。」
(本田圭佑)

「駒野を今日、酒に誘って死ぬまで飲ませたいと思います。僕は同い年だし、駒野をいつもいじっている感じなんで、いじり足りなかったのかなと思います。僕がもうちょっと近くにいれば良かったかなと思います。
(松井大輔)

「(監督には)ありがとうと言われた。僕も『(監督の)何百倍の感謝の気持ちでいっぱいです』と言いました。」
(長友佑都)

「(将来)自分が教える立場になったとき、そういう経験が生きてくると思う。」
(中村俊輔)

「今日の試合で、日本代表が持っている全力を出し切ったかというと、そうではないと思います、僕は。」
(中田英寿)
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# by marc_keio | 2010-06-30 16:15 | football
Match 23 - Group C
England 0-0 Algeria

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カペッロは決断した。
初戦のアメリカ戦でミスを犯したゴールキーパーのグリーンを先発から外し、39歳のデービット・ジェームズを起用した。バリーが怪我から復帰して先発に名を連ねたのもイングランドにとっては好材料だった。怪我で離脱したファーディナントの代役はキャラガーが務める。

しかし、点が取れない。攻撃の形が見つからない。イングランド代表の真価が発揮される気配がない。
この日の「砂漠のキツネ」は、狡猾でも老獪でもなく、スペインに勝ったスイスやブラジルに堅守で対抗を試みた北朝鮮のように、リトリートし続ける防戦一方の戦術を敷いたわけでもなかった。ジダンのルーツとフォーカスされる所以にも頷ける高い技術力で、奪ったボールを失わずに善戦した。試合全体のポゼッション率も53%とイングランドを上回った。「どちらがイングランドだったか、わからなかった」とは、大会前にイングランド代表と日本代表のテストマッチを視察したイビチャ・オシム氏の感想だが、この日も「どちらがイングランドだったか、わからなかった」。

次々と途中投入されたライトフィリップス、デフォー、クラウチも試合の流れを変えるには及ばなかった。試合の終盤、主審のジャッジに怒りを露わにするカペッロの眉間の皺は深くなるばかりだった。
何か手を打たなければならないのは必定である。

イギリスのニューズ・オブ・ザ・ワールド紙は、マラドーナの「Hand of God」に掛けて、「Hand of Clod(間抜けな手)」と初戦でミスを犯したグリーンを酷評した。しかし、「Hand of Clod」の病根は、案外根深いと勘繰られ始めてもおかしくない、平凡なパフォーマンスを現在のイングランド代表は露呈している。
プレミアリーグで「Big 4」と呼ばれる強豪4チームの正ゴールキーパーは、すべて外国人である。ご存知の通り、チェルシーはチェフ(チェコ人)、マンチェスター・ユナイテッドはファンデルサール(オランダ人)、リバプールはレイナ(スペイン人)、アーセナルはアルムニア(スペイン人)。長らくイングランド人ゴールキーパーの大舞台での経験不足などが指摘されてきた。

しかし、同時に現状のイングランド代表の低調なパフォーマンスを見れば、ゴールキーパー以外のポジションの選手たちにも同じ猜疑や批判の目が向けれてもおかしくないのではないだろうか。
たとえば、ルーニーはギグスやスコールズなどのベテラン選手がいなければ、あの闘志を全身で表現するようなゴールの嗅覚を発揮出来ないのではないのか・・・。ランパードやアシュリー・コールは、ドログバやアネルカがいなければ、素晴らしい攻め上がりからゴールを決めてみせることが出来ないのではないのか・・・。ジェラードはフェルナンド・トーレスが・・・、キャラガーはアンフィールドの熱狂的なリバプール・サポーターが・・・。

無論、そんな筈はない。
イングランド代表が現時点ではチームとして成熟の域に達していないだけであり、素晴らしい選手たちが真価を発揮できる状態にないだけだ。爆発にはカンフル剤が必要だ。何かのきっかけさえあれば。でなくては、今大会ここまで大健闘を続ける「大きな小国」との最終戦の結果は、「まさか」の危険なものとなる。
ミスを犯したゴールキーパーを外す微調整だけでなく、万全ではないバリーではなくキャリックに賭けてみるとか、ベンチに座るジョー・コールやクラウチに長い出場時間を与えるなど、先発メンバーの刷新をも含めてカペッロは決断を迫られるだろう。

だが、試合後のスタジアムを包んだイングランドサポーターの大ブーイングは、常々カペッロが選手たちに求める「イングランドのスピリット」がピッチ上で表現されなかったことに対するものであった筈だ。
遠く南アフリカの地まで駆けつけたイングランド・サポーターの叫びを、「あの男」はどんな気持ちで聞いたのか。「イングランドのスピリット」を覚醒させることが出来るのは、カペッロが連れてきた24人目の選手、「あの男」だけなのかもしれない。
若き日の過ちも、狡猾なライバルとの死闘も、どん底も銀河系軍団も経験した男は、今、スーツ姿で自身最後となるであろうワールドカップを戦っている。

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# by marc_keio | 2010-06-19 05:30 | football
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c0119546_18152860.jpg「10年連続の200安打」という世紀の大記録に挑んでいる今シーズンのイチローは、現在も好調を維持しているようだ。

偉大な選手の偉大さは、さまざまなメディアや発表作を通じて知っていたつもりだったが、本書を読んであらためて、という感じだった。「50歳までプレーしたい」というイチローの現在までの軌跡が、華美でも瀟洒でもないゆえに、なにか華のある筆致で纏められている一冊。石田雄太というNHKのディレクター出身の筆者が、イチローとの対話を通し、偉大な選手の素朴な内面という核心に迫ろうとしている、それがまた偉大さを募らせている。

イチローという選手が持っているもっとも重要な武器。それは、飛び抜けたバッティングセンスでもなければ、類い希なトータルバランスでもない。彼の第一の武器は“心”の持ち方である。「アイツは特別だから」と誰もが言う中で、もっともイチローを特別視してこなかったのが、イチロー自身だった。彼をここまでにしたのは、想像を絶する練習量であり、その練習に足を向けさせた彼の心の強さである。
(「イチロー・インタヴューズ」)

かつて、自分に与えられた才能はなんだと思うか、とイチローに聞いたことがある。彼は「たとえ4打席ノーヒットでも、5打席目が回ってきてほしいと思える気持ちかな」と言った。ヒットが出てもノーヒットでも、一喜一憂しない揺るがない心。
(「イチロー・インタヴューズ」)
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# by marc_keio | 2010-06-14 18:03 | book
Match 3 - Group B
Argentina 1-0 Nigeria
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監督ディエゴ・マラドーナ、主演リオネル・メッシで臨む作品の序章は、波乱万丈な先行きを予感させるには充分な幕開けだった。

“セレステ・イ・ブランコ”(空色と白)と呼ばれる伝統のユニフォームを身に纏ったアルゼンチン代表の選手たちは、今大会ここまで登場した各国代表の中でも、やはり格別のオーラを放っていた。ベンチに座る“24人目の名選手”も、この日は見慣れぬスーツ姿で登場。“過ち”を犯した灼熱のアメリカ大会から16年、奇しくもマラドーナにとってワールドカップ最後の試合となったナイジェリアを相手に、監督としてのワールドカップ初戦を迎えた。

「彼がベンチに座るとはね。賭けてもいい。大会中、ピッチ上の多くの選手がベンチのマラドーナを見るはずだ。彼はそれほど大きな存在感を放っている。」

ジョゼ・モウリーニョをしてそう言わしめるマラドーナの存在は、確かに際立っていた。試合開始からテクニカル・ラインぎりぎりに立つと、檻に入れられた猛獣の如く右へ左へ、喜怒哀楽を全身で表現しながら“ハードワーク”した。
俄然、勢いづくアルゼンチンの選手たち。メッシ、イグアイン、テベス、ディマリアという超強力攻撃陣が次々とナイジェリアボールに襲い掛かり、完全に試合の主導権を握る。
伝統のユニフォームの放つオーラ、大会屈指ともいえる攻撃陣、ベンチにはマラドーナ。立ち上がりのナイジェリアが、アルゼンチンの全圧力に引いてしまったのも無理はなかった。結局この時間帯に生まれた1点が、決勝点となった。

前半6分、ベロンのコーナーキックにガブリエル・エインセがヘッドで合わせ、幸先良くアルゼンチンが先制。「見たか!?」というガッツポーズで喜びを爆発させるマラドーナ。アルゼンチンの見事なサインプレーだった。

「インテルはチャンピオンズ・リーグ決勝でメッシを止めることに成功したが、それと同じやり方で挑んでも機能しないだろう。バルセロナとアルゼンチンではメッシの役割が違うからだ。ポジションも違うし、ボールポゼッション、プレッシャーのかけ方まですべて異なっている。ナイジェリア、韓国、ギリシャがインテルを真似ても、メッシ対策にはならないだろうね」
(ジョゼ・モウリーニョ)

はたして「メッシの大会」になるのか――。
世界中の関心事はそこに尽きるだろう。良くも悪くも「主演メッシ」。監督マラドーナは、大会前から「メッシを中心にチームを作る」と明言し、大会前には単身バルセロナに渡りメッシと会談、試合中もメッシが削られれば顔を歪ませて猛抗議した。

守備ブロックを築くナイジェリアに対し、メッシは再三、中盤まで引いてボールにからみ、突如ギアを上げて味方とのワン・ツーからゴールを脅かすことを繰り返した。しかし、テベス、イグアインは窮屈そうで、メッシとのコンビネーションは未だ発展途上である。さらに、ボールを失うとディマリアを含む前線4枚が置き去りにされ、カウンターを食らうシーンも。今年36歳のセバスチャン・ベロンがゲームメイクを担当するが、ベロンのミスからカウンターを食らうことも目についた。主将を務めるハビエル・マスチェラーノのリスク・マネジメントの限界がこのチームを支えるに耐えられるか心配なところだ。
c0119546_1391330.jpgマラドーナが「恋してる。」と告白したというお気に入りのホナス・グティエレスは、アメフト選手のような逞しい肩を揺らして右サイドでファイトしつづけたが、前半28分にナイジェリアのダイレクトプレーから裏を取られて決定機を作らせるなど、守備に不安が残るパフォーマンスだった。

とはいえ大会で最も話題沸騰間違いないアルゼンチン代表は白星スタート。「選手として出場するのか」などと揶揄されるマラドーナだが、まさに選手のようにタッチライン際でピッチの選手と共に戦うかのような姿は滑稽でもあり、感動的でもあった。

監督マラドーナ、主演メッシの物語は始まった。駄作で終わるか、はたまた名作として歴史に刻まれるか。チームが危機に瀕するとき、かつてロサリオで行われたブラジルとの南米予選のハーフタイムにも発した言葉を吐いて、マラドーナは選手を叱咤することだろう。

「おい、自分が何を着てプレーしてるかわかってんのか?!アルゼンチン代表のユニフォームだぞ!!覚悟を決めろ!!死に物狂いで戦うんだ!!」
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# by marc_keio | 2010-06-14 14:37 | football
c0119546_12294789.jpg懸けている魂の次元がちがう。

昨晩、NHKスペシャル「サミュエル・エトー アフリカを背負う男」を見た。サミュエル・エトーが背負うもの。それはカメルーン国民の期待だけでなく、アフリカそのもの。

「俺の心のなかには、いつもアフリカがある。」(サミュエル・エトー)

後に「サミュエル・エトー通り」と名づけられた、カメルーン国内でも特に貧しいその地域にある一本の道は、かつて幼いエトーが夢中でサッカーボールを追いかけた場所である。生活が貧しいために夢を諦めざるを得ない少年たちの為に、エトーは毎年8000万円の私財を投じて「サミュエル・エトー財団」を運営し、プロのサッカー選手を目指す少年たちの生活費を賄っている。自分もかつて同じ境遇に置かれた少年だったからだという。

2006年2月25日、エトーがバルセロナでプレーしていた頃、アウェーでのレアル・サラゴサ戦で事件は起きた。前半にゴールをあげたエトーに対し、相手サポーターが猿の鳴き声を真似た嬌声を浴びせつづけたのだ。アフリカ出身の黒人選手に対する、まごうことない人種差別である。
繰り返される人種差別行為に対し、耐えながらプレーを続けていたエトーだったが、後半、相手サポーターが陣取るスタンド前でのコーナーキックの際、鳴りやまない猿の鳴き真似にたまりかねたエトーが、猛然とピッチを後にしようとする。味方選手、相手選手がエトーに走り寄り、主審までもが必死になだめようとし、最後はバルセロナのライカールト監督になだめられてプレーを再開した。

「その時、ロナウジーニョは言ってくれた。『兄弟よ、俺も一緒に出る(ピッチを去る)』と。でも、一人の黒人の相手選手が近寄ってきて、こう言ったんだ。『お前は勇気がある。頼むから、あいつらがこんなひどいことをしないように見返してやってくれ。試合を放棄するのではなく、ゴールという形で。』」

その後、エトーは決勝点をアシストし、次節には決勝ゴールを決めた後、客席からカメルーンの国旗を受け取ると、高々とそれを掲げてみせたのだった。

貧しさと戦い、夢を諦めず、誇りを失わずに生きていくためには、ゴールし続けるしかなかったというエトー。自身初の、それもアフリカ大陸で初めて開催されるワールドカップに、アフリカ全土の誇りを背負い、遂にエトーが登場する。

今夜、我らが日本代表は、エトー擁するカメルーンを相手に、どんな“誇り”を見せてくれるのか。

The official 2010 FIFA World Cup™ poster
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# by marc_keio | 2010-06-14 13:40 | football