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c0119546_14234653.jpg入院中、ある糖尿病患者が、壊疽(えそ)により両足を切断された。その噂を耳にした隣のベッドの糖尿病患者の顔色をそっと窺うと、青ざめてガタガタ震えている。こんな一幕から、最近宮本輝が糖尿病に関する対談本を出していたのを思い出し、インターネットで取り寄せてプレゼントしたところ、その内容が革命的で大喜びされた。私も試しに読んでみたところ、見事に常識を覆された。

「元来、人間の体は、米や麦などの穀物類、いもやかぼちゃなどの澱粉類、砂糖や果物などの砂糖を摂取するようには出来ていない。」

よく考えると衝撃的な一文から、この対談集は始まる。普通私たちは、生まれてから死ぬまで穀物や澱粉を主食として生活する。主食とは「東南アジアの国々では米であり、欧米では麦から作るパンやパスタであり、南米やアフリカの一部では芋類である」。
しかし、人間が地上に創造されてから400万年間の内、399万年は狩猟、採取の生活スタイルであり、ほとんど糖分を摂取してこなかった。人口の増加による必要に迫られて稲作を始め、米や麦などを主食として食べるようになった。それは、ここ1万年の出来事だという。

c0119546_14512481.jpg主食としてきた穀物類や澱粉類には糖分が含まれる。一日に三度の白米。これだけでさえ人体には過剰な糖分を摂取している。その糖分をエネルギーや脂肪に変える為に大量のインシュリンが分泌され、それは人体に幾度も吹き荒れる「嵐」といえるような変調を巻き起こすという。さらに我々現代人は、間食に菓子類を頬張り、砂糖だらけの清涼飲料水を吸収し、ビールや日本酒等の醸造酒をしこたま飲み、ラーメンで一丁上がり、という生活を続ける。
まさに「過糖」であり、やがて糖尿病となって両足を切断するか、失明するか、高血糖による合併症を病み、血糖値を下げる為に体内で異常なホルモンや過剰なインスリンを分泌して、癌などの病気を引き起こしていく。

そこで、この本に載っている食材を意識的に選択して糖分さえ抑えていけば、(1万年前と同じ)人体にとって一番適当な食生活を実践でき、血流はサラサラになり、お肌はツヤツヤになり、毛髪は太くなり、体の芯から力が湧き、病気知らずの体になるのである。

サッカー日本代表の岡田監督も、ワールドカップ終了後は「農家になる」と洩らしているようだが、まさに新鮮な食材を調達出来、正しい知識を持って料理し、家族で食卓を囲むことこそ極上のグルメであり、幸福でありはしないか。そんな真っ当な価値観へと常識を一新させられる一冊である。
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by marc_keio | 2010-06-02 15:27 | book
c0119546_145121.jpg会社の上司から「十回ぐらい読みなさい」と奨められた。京セラ、及びKDDIの創設者であり、現在日本航空の会長である稲盛和夫氏の『生き方』。帯には「60万部突破!」だとか「12歳から93歳まで、幅広い層の読者から感謝・絶賛の便りが殺到!」との赤い文字が躍る。読み終えて、「当代随一の経営者がすべての人に贈る、究極の人生論!」というキャッチコピーにうなずける内容だった。

こうした人生の真理なるものを小説や名曲の底流に沈める芸術が好きだが、無駄の無いストレートな言葉は、さすが“本物”といえるものばかりだった。

入社して間もないころ、上司の「我々は凡人だ。凡人が集まって組織的に非凡な仕事をするのだ」との開き直った言葉に、釈然としないながらも度肝を抜かれた。(稲盛氏の人と為りを何も知らずに失礼かもしれないが、)稲盛氏は凡人だ、たぶん。その凡人が辿り着いた非凡な境地が語りきられている一冊だ。
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by marc_keio | 2010-06-01 14:18 | book