最後の夏。

いま、下田にいる。

ここのところ、夜そのまま下田に泊まるか、夜のうちに車で下田に移動して、朝までいろいろやってたりすることが多い。

Mルームでスクリーンで映画を見たり、夜のグランドでボールを蹴ったり、ベランダで涼んだり・・・。
今年の慶應の快進撃のうち、オレは2試合くらいしか見れなかったが、この夏、(市川と)1プレイ1プレイ入念に全11試合を見させてもらっている。いろんなものが見えてきた。これをまとめて、トップの選手に伝えるのは、9月の後期開幕前。時間がない。

R部屋でこうしてキーボードの上で指を走らせてる今も、外ではセミが鳴いている。
セミより必死に生きたいと、何度もこの夏思った。
もうオレに残された時間は少ない。

「悲願」。
今年、必ず一部に行かなければならない。
チームのためでも、仲間のためでも、李さんのためでも、OBのためでも、後輩のためでもない。
本当に大きな場所へ。いつでもオレは大きなものを求めてきた。大きな悲願へ。
自分と、自分の愛する弟のために、絶対に今年、一部に上がらなければならない。
その一部で通用するチームで戦うために、自分のサッカー観を磨くために、この夏が、最後の夏なんだ。





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勝てるチームを作る。
「サッカーをやめるのではない。サッカーを極めるんだ」
そうある人に肩をたたかれた。
一部に行けなかったら、愛するサッカーをやめた意味がない。
サッカーを極めるために、生涯かけてサッカーと付き合っていくためには、絶対に経験しなければならない場所。

一部。
そこで年間通して戦い、旋風を巻き起こすために、今年の夏が、すべてを左右する。
来年なんて、自分のなかに培ったものを表現するだけのこと。

運命が、サッカーの神様が、そのために次の試練を用意したかのように、
今日、またオレを取り巻く状況は変わった。


A1から8人の選手がA2に落ちてくる。


青学戦の大勝でトップへ上がった4人が抜け、
「夏の第1章」と位置づけて、青学戦直後から準備してきたアイリーグ3連戦を
あのメンバーで2勝1敗で終え、現在2位。

残り5試合。

東洋戦を捨てるつもりで、2週間でA2をさらに強化しようとしていた。
国士舘、東海、神大、流経との4連戦に向けて、時間がない。
追求してきたサッカーの形もなんとかだいぶマシな形になってきて、
さらに強化するために時間がない。練習の時間がない。そんな焦りから、2部練を決定。
李さんにA2の合宿も交渉中。

そこに、本当に試練を与えるように、8人のトップの選手が入ってくる。
結果を出して、どんな灼熱のピッチでも走って、ミーティングと練習を重ねて一つになりはじめたチームに、オーストラリアでまた厳しい練習を乗り越えたにもかかわらず引導を渡された8人が融合する。

人と人をつなぐこと、人を感じさせて動かす(感動させる)こと。また、サッカーだけではなく、人間力を試される問題が浮上した。

のぞむところだ。
すべては、一部に行くため。一部で戦う資格を得るため。そして、一部で通用するチームになるため。
一部で、戦うこと。


夏は必ず終わる。
桜は散るし、川もいつか海にたどり着くし、陽も暮れるし、90分の試合も終わる。
人生は儚く、そして切ない。

この世に永遠なんてものはない。
だからこそ、一瞬を永遠に焼き付けるように生きていく。


臆面もなく照りつける太陽が、もう何も隠すことはできないと、はぐらかすこともごまかすこともできないと云ってるように感じる。
素っ裸になって、全身を太陽にさらして、全力でサッカーと向き合うことしか今はできないし、振り返ってる暇はない。必死に夏を生きるしかないと思う。


最後の夏が終わるころ、一部へのカウントダウンがはじまる。
動き出した秒針は、もう誰にも止めることはできない。
時間の止まったような炎天の下で、秋の稔(みの)りを見出そう。
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by marc_keio | 2007-08-13 00:06 | football