魂の“うらづけ”。

c0119546_13404.jpg 日本の敗退が、また様々なポジティブな事柄を生み出しはじめている。オーストラリアにカイザースラウテルンの雪辱を果たし、高原が真のストライカーとして覚醒し、川口の神がかり的なPKストップが神頼みでもないことも確認できた。そして、人とボールが動くサッカーが予選3試合で相手を圧倒した。俊輔もこの経験をセルティックに持ち帰って必ず活かしてくれるはずだ。

オシムは言った。「リスクをおかしてプレーをしている。具体的に言うと、2トップに2人のDFをつけている。私は今日本がやっているサッカーの信奉者です。オープンなゲーム、美しいフットボール、何かが伴わなかった。何かが何かはおわかりですね」

なぜか胸打たれた。
なぜ感動したのか、どうしてオレはオシムに魅力を感じるのか、昨晩ずっと考えていた。そして、すこしわかった気がした。
イビチャ・オシムは、フットボールにおいて、強烈なリアリストであり、でも最後のところでは、現実的な方策・材料で、リアルに実現できる最大級の理想を本気で夢想しつづける究極のロマンチストであると思うのだ。ただ、その理想を実現するには、魂がないと・・・。



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また増島みどりさんというジャーナリストが、面白いことを書いている。
ほんとにこの人の人と違う点からサッカーを視る視点、徹底された取材による視野、文学性にもあふれた視座を尊敬する。



高温多湿の中、オシム監督はあえてリスクを背負ってこのスタイルを崩さなかった。おそらく、行けるところまで行ってみる、そういうリスクと覚悟だったはずだ。それが準決勝で力尽きた。結果的に技術では、「動いてボールを回せる力」を存分に示した一方で、身体的な強さとはまったく次元の違う、フィジカルコンディションでほころびをきたしてしまった。術と調整力、両輪が働かずに、最後はついに回転が止ったのだろう。

アジアで勝つために、オシムのサッカーを実現しなくてはならない。そのためには、コンディショニングを大きなテーマにしない限り、過酷なアジアで勝ち抜くことは不可能だろう。

驚くのは、この日延長PKで勝利したイラクのフィジカルコンディションの素晴らしさ、またサウジアラビアが移動、移動を繰り返し、中3日で、移動のない中4日の日本を振り切ったことだ。
両チームともに、ブラジル人のフィジカルコーチがいる、しかも名門クラブから。史上もっとも過酷といわれた大会を制するのが、あのブラジルサッカーのフィジコだというのも、偶然ではなかったと思う。



トレーナーを決めるミーティングで、オレが言ってきたことは間違いではなかったと思う。
大学サッカーで、いちばん重要になるのはコンディショニング。
もし、今年慶應が一部昇格を逃すようなことがあれば、その理由の大方はこの夏のすごし方にあるだろう。前期首位で折り返したチームが、後期のどこに標準を合わせるのか。対戦相手を見て、序盤にピークを持ってくるのか、はたまた、終盤にピークを持っていくのか。

「魂で行くんだ」

もちろん最後はそうなるが、科学的なアプローチもする必要がある。
過酷なアジアカップで決勝に進んだイラクとサウジのフィジカルコーチはブラジルの優秀なフィジコだったという事実。慶應ゆえに、アマチュアなりに、トレーナーが選手のコンディショニングに力になれるのは、大きいと思う。

暑い夏。過酷な夏。
そこでA2は約18日間の長い長い戦いに入る。
アイリーグ3連戦をいかに戦うか。コンディショニングも鍵を握る。
チームの雰囲気、選手が無意識に発するメッセージをいかに読み取ってあげられるか。
すべては勝つために。勝利を必死に追及する道程で、はねかえってくる成果。
結果より成果を。結果以上に大きな成果が、アジアカップでは学べたと思う。
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by marc_keio | 2007-07-26 13:18 | book