男の器。

マリノスと早稲田の試合を見て、家路をたどりながら、ずっと考えてた。

   もっとでかい男になりたい・・・。

でかい器の男に。
旅にでるしかないのか。世界をまわるしかないのか。

でも、
「世界中を周るより、
目の前にいる人と向き合うことが、世界と向き合うことだと思う。」
と言った人がいた。そんな言葉を言える男に。
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松田直樹と鈴木隆之。
いまマリノスでベンチにも入っていない、
かつて日の丸と、ひとつの時代を背負った2人の男を見ていて、
とんでもない男どもだと思った。

“百戦錬磨”どころか、“万戦錬磨”の松田直樹。
W杯に出ることよりも「男の器」をでかくすることを選んでトルコリーグに移籍していった鈴木隆之。

「この人たち、『オレなりの事情』ありすぎだろ・・・」
と思わず笑っちゃうほど堂々と周囲を気にせずサッカーして、ビンビン存在感を放ってる。



もはや人間国宝。



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あるマリノスの選手が、ボランチの位置でボールを受けた。

サッと数人の早稲田の選手が取り囲む。

マリノスの選手は焦って、いまにもボールを失いそうになる。




そのとき、、、




落ちついたコーチングが、マリノスタウンに静かに響いた。

だれにも止められない闘志をむき出しにする男には不釣合いな優しい声が。

ファンから黄色いどよめきが起こる。









「(サポートなら、)右もいる。左もいる。前もいる。俺もいる。だいじょーぶ。」








早稲田に囲まれたマリノスのボランチは、その声を聞くと、

落ち着いて、後ろにいる松田にボールを預けた。


そして、松田の足の裏でボールを止めつつ押し出す独特のトラップ。
久々に見るなつかしいファーストタッチでボールを落ち着けると、
左手を天に、右手を地に向けるようにしてバランスをとりながらふりかぶる美しいフォームで、前線にハイボールを蹴りこんだ。



その松田の落ちついたコーチングの声を聞いたとき、

ああ、この人は超えてきた修羅場の数が違う・・・と、

男の器の正体が少しだけ垣間見えた気がした。



だだっ広い都市のなかの緑の海で、松田直樹の放った放物線を見ながら、
自分でも驚くほど多くのことをオレは感じた。


強く生きるしかないと、

カラダとココロの内から、とんでもないエネルギーが燃えたぎってくるのを感じた。




松田直樹の、どこか悲しげな、優しくてゆるやかな放物線。

その姿と放物線を見ることができるのも、そろそろ限られてくるのかもしれない。

そして、マリノスタウンを後にするとき、いつか肩を並べられるような男になると、誓った。

だから、その誓いが薄れそうになるたび、オレは松田直樹に会いに行く。







マツダとスズキについて書いた文章があります。
車じゃないよ?w
「未来ばかり、夢見るな。」→コチラから
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by marc_keio | 2007-06-04 02:57