李さんと缶コーヒー。

「何が飲みたい?」

昨日も李さんとコーヒーを飲んだ。
最近、よく自販機の前で缶コーヒーを買ってもらって二人で話し込むことがある。
オレが、「コレ」と“微糖”を選ぶと、小銭を入れてくれる。
李さんは“無糖”を選ぶ。

「“無糖”ですか?」

とオレが笑うと、李さんも笑う。

「ブラックが一番だよ。」

そしてポケットからタバコの箱を取り出して一服。

「俺の人生は“ブラック”だからな。」

そう言って李さんが笑う。

「“無糖”っすか?」

オレも笑う。

「甘いのはきらーい。」

李さんが笑いながら美味そうにブラックのコーヒーを飲んでタバコを吸って、またコーヒーをすするように飲む。

「最近やりがいあるか?」

「はい、ありますよ。李さんは?」

「もちろんあるよ。どんなつらいことがあってもやりがいはあるよな。」

「李さんのやりがいってなんなんですか?」

「もちろん慶應を勝たせることもそうだし、家族や仲間のために頑張って、世界に出たいな。」

スケールが違う。それは韓国に留学中の友さんもメールで言っていたことだ。
いまだから李さんの偉大さがわかると・・・。

「ヤマもそうだとおもうけど、ここが終着点じゃないから。」

短くなったタバコを灰皿に捨てて、李さんがゆっくりと歩き出す。

「天気が悪くなったり事故があって駅で止まったり、トンネルに入ったり、良い景色が見えたり、人生は電車とおんなじだ。」

「はい、そしたら終着点はまだまだ先ですね。」

「そうだよ。途中には長いトンネルもあるぞ。真っ暗な」

「ブラックっすか?」

「そうーブラック(笑)甘くないから」

「でもたまには甘さも大切ですよ」

「うーん、でも俺はブラックが好きだな笑」

李さんが空になった“無糖”の缶をゴミ箱に捨てる。

「たまには“微糖”も飲まないと。」

「そうだな。それも大事だ。じゃぁ、明日は俺が“微糖”を飲むか。」


もうちょっと熱い話をしてたんだけど、うまく伝えられないですね。
とにかく言えることは、
李さんにとって慶應やこの日本という国は、「海外」であるということ。
そして俺たちの何気ない日常は、李さんにとっては「世界」であるということ。

彼の世界観をとにかくできるだけ吸収しなければと思うと、また焦る。
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by marc_keio | 2007-06-02 21:33