トラヴェリング。

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トールマン・カポーティの『ティファニーで朝食を』の主人公ホリーの名刺には、

「トラヴェリング<旅行中>」

という文字が刷り込まれていることになっている。



パディントン駅からタクシーで、パークレインへ。
なんとか行先を告げ、機嫌の悪い運転手に気を使いながらタクシーに揺られる。それが、運ちゃんの機嫌のバロメーターなのか、このタクシー、揺れに揺れる。以前、オダギリジョーの『ゆれる』という映画を見たが、あれはよかった。なんて思ってる矢先、スーツケースが車内で転がって転倒。というのも、パディントンで客待ちをしているタクシーはどれも後部座席が広く、荷物と一緒に乗り込むのだが、その後部座席のスペースをスーツケースやら弟の松葉杖やらが移動するほど、荒い運転だった。

ホテルは、「Marriott London Park Lane」に宿泊。
下ろしたてのユーロで運賃を払い、いま思えば何もわかっていなかったと恥ずかしくなるが、相場も硬貨の種類も“効果”も知らずに、幾分かのチップを渡した。すると、それまで仏頂面(運転中の顔は見えなかったので予想だが)で運転していた運ちゃんが、満面の笑顔でそれを受け取ったかと思うと、わざわざ運転席から後部座席にまわってドアを開け、骨折中の弟を気遣い、重い重いスーツケースをホテルに運び込み、「Thank you very much, sir!」と紳士然と手を振って帰っていった。

空模様を見ればわかる。イギリスという国は、こちら側から仕掛けなければ何も跳ね返ってこないような気がした。プロフェッショナルでナイスガイなホテルマンの対応に、逆に小さくなりながらチェックインを済ませ、いざ部屋へ。ドッと疲れがでたが、いざ街へ。イギリス滞在4日間の拠点となる“Park Lane”へ。
時刻はもう19時だ。
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by marc_keio | 2009-02-22 05:09