倉又東京、終戦。

c0119546_1115116.jpgJ YOUTH CUP (SEMI FINAL)
セレッソ大阪 3-2 FC東京U-18

「大貫よんでくれ!」
ピッチ際に立ちすくみ、腕組みをして戦況を見つめていた倉又監督が、ふと時計に目をやると、あえぐようにベンチのコーチたちを振り返った。肩の脱臼でベンチスタートを余儀なくされていた主力の大貫が急いでビブスを脱ぐ。スコアは2-3。計20分の延長戦も、残り時間わずか。

本当に強かった。
今季のFC東京U-18は、プリンスリーグ関東1部、日本クラブユース選手権を制し、7年ぶりの出場となった高円宮杯でも3位。しかし、チームで結果を出し続けても、トップチームの強化部の評価は、

「トップ昇格はゼロ名。」

という厳しいものだった。
「クラブユース優勝すれば・・・」、「高円宮杯を獲れば・・・」。もしかしたら誰かが上がれるかもしれない。選手たちは進路先の大学が決まっていく中でも、上を目指しつづけた。しかし、やがてその思いは、形を変えていったという。

「人に評価されるためにサッカーやってるわけじゃない。ずっとプロを目指してやってきたけど、最後は倉さん(倉又監督)を胴上げしたいという気持ちだけ。このチームで、もう一度全国を制したい」(山浦)
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京都サンガ、横浜Fマリノスを順調に下し、長居に乗り込み、地元のセレッソ大阪と対戦。先制されるも岩淵の2得点で逆転したが、延長戦の末、2-3で敗れた。

あらゆるリスクを排除し、選手を鼓舞し続けた倉又監督。延長戦が残り数分を残すのみとなったとき、3年生の大貫をピッチに送り込み、敗戦の笛を聞いた。

「悔しい思いは確かにあるが、全国大会ではすべて3位以上で安定した力を出してくれた。彼らの力はたいしたものだと思う。最後までよく頑張ってくれた」(倉又監督)

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地元の大阪ファンから「東京!東京!東京!」の大合唱。東京ファンもこれに応じ返し、両陣から湧き上がった拍手は、しばらくの間なりやまなかった。

倉又東京の終戦は、同時に旅立ちでもあることをかみしめて、長居を後にした。
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by marc_keio | 2008-12-25 11:39 | football